はじめに
マッチングアプリはマーケティングである。
自分という商品を顧客に届けて満足してもらう。
企業が行っていることと全く同じです。
マッチングアプリでは多少の差はあれど基本的には、
- 希望条件などでフィルターをかけて一覧の中から気になった人のプロフィールを閲覧。
- プロフィールを見て気に入った人にいいねを送る。
- マッチングした相手とチャットや電話、実際に会ったりする。
- 気に入ったらお付き合い成立。
という流れになります。
これをマーケティングに置き換えてみると、
- 広告を見て気になったらクリックする。
- LPを読んで良さそうだと思ったら無料サンプルなどに申し込む。
- 無料サンプルが良かったら実際に購入。
- 購入した商品が気に入ったらこれからも継続購入。
となります。
全く同じ流れなのが分かるでしょう。
つまり、マッチングアプリの攻略法というのはマーケティングを学べば分かるということです。
チャットや電話、実際に会ってからの評価はマーケティングよりも一般的な恋愛術の領域になってくるので、
ここでは主にプロフィールに対していいねをもらうまで、をお話しします。
マーケティングに例えると、LPの購入ボタンをクリックしてもらうまで、です。
自己分析
まずは商品について知りましょう。
自分という商品の特徴、強みや弱み、は言えますか?
モデルケースとして、Aさん(28歳男性)を見ていきましょう。
Aさんのプロフィールは以下の通り
地方出身 東京都在住
理系大学院卒 大手企業勤務会社員 土日休み
Aさんという商品の特徴について深ぼってみましょう。
・職業はシステムエンジニア
・年収はそれなりに高い
・身長体重外見は普通
・趣味はサッカー観戦とゲーム、お酒
・恋愛経験はあまりない
この中でAさんの強みとなりそうな特徴を挙げていきます。
・収入が安定していて高い
・学歴が高い
・サッカー観戦が好き
・ゲームが好き
・お酒が好き
・土日休み
このとき、弱みとなりそうな特徴も忘れずに挙げておきます。
・身長体重外見が普通
・恋愛経験があまりない
・サッカー観戦、ゲーム、お酒が趣味
・土日休み
挙げた特徴の中で、強みにも弱みにもなりうる特徴があることが分かるでしょう。
相手の人が土日休みであれば土日休みは強みになるし、相手の人が平日不定期休みであれば弱みになります。
次に、Aさんを気に入ってくれそうな顧客ターゲットを考えていきます。
Aさんを気に入ってくれそうな人はどんな人でしょうか?
・安定した収入を望む人
・サッカー観戦が好き
・ゲームが好き
・お酒が好き
・土日休み
逆にAさんを気に入らなさそうな人はどんな人でしょうか?
・身長体重外見を重視する人
・恋愛経験豊富でスマートなモテる振る舞いが好きな人
・サッカーが嫌いな人
・ゲームが嫌いな人
・お酒が嫌いな人
・土日が仕事な人
ここでもう1つ、Aさんの好みも明確にしておきます。
・外見が綺麗な人
・お姉さんタイプ
・会話をリードしてくれる人
「自分を気に入ってくれる人」かつ「自分が気に入る人」が最終的な顧客ターゲットとなります。
さて、ターゲットが決まると競合他社が見えてきます。
ひしめく競合たちに勝たなくては勝利はありません。
競合たちに勝つためには、他の人にはないAさん独自の強みを活かし、その上で弱みが出ないようにする必要があります。
Aさんの強みを整理してみましょう。
持っている人が多い強み
・土日休み
ステータスとしての強み
・収入が安定していて高い
・学歴が高い
個性のある強み
・サッカー観戦が好き
・お酒が好き
・ゲームが好き
持っている人が多い強みは実質強みとしては機能しないとみなして良いでしょう。
ステータスとしての強みはそれだけでは機能せず、すでにある魅力を+α底上げするオプションのようなものと考えてください。
個性のある強みがAさん独自の強みとして重要になってきます。
つまり、個性のある強みの1つをアピールポイントとしておきつつ、他の強みで補強していくという戦略が良いでしょう。
実際のプロフィールでは、個性のある強みを沢山主張するのは難しいため、その中で優先順位を決める必要があります。
優先順位を決めるときには以下の2点の要素が大事になってきます。
①その個性をどれだけ大事に思っているか
共に過ごすパートナーを探しているので、大事な価値観は捨てるべきではありません。
②女性受けするか
女性受けしづらいと当然苦戦を強いられることになります。
今回のAさんの場合は
- サッカー観戦が好き
- お酒が好き
- ゲームが好き
としましょう。
伝えられることは限られているため、現実的には上位1つもしくは2つくらいで勝負することになるでしょう。
ここまででプロフィールの内容は
メインで伝える強み
・サッカー観戦が好き
・お酒が好き
サブで伝える強み
・収入が安定していて高い
・学歴が高い
・土日休み
・ゲームが好き
と整理できました。
ただし、「自分を気に入ってくれる人」が少なすぎる場合や「自分が気に入る人」が少なすぎる場合は要注意です。
このままどれだけ頑張ったとしても成功確率は低いでしょう。
市場規模が小さすぎます。
まずは商品の価値を高める努力をしっかり行い、傲慢な姿勢を改めましょう。
また、ターゲットを絞りすぎず最大限多くの人にアプローチしたいと考える人もいるでしょう。
しかし、それはモテる人の戦い方です。
いわばiPhoneの販売戦略です。
あなたはiPhoneですか?
業界でトップ争いをできるような超優良商品ですか?
おそらくほとんどの人がそこそこの商品でしょう。
だとしたらその商品ががっちりとハマる最適な市場を探さないといけません。
競合の少ないニッチな市場を本気で狙いに行くべきです。
マーケティングの基本です。
強者には強者の、弱者には弱者の戦い方があるのです。
名前は知られていなくともニッチな業界でシェア率90%を誇る中小企業もあります。
そこを目指しましょう。
決定的に恋愛と企業とで違うところがあります。
それは恋愛の場合は最高の1人の顧客を見つけることが目的ということです。
モテにモテまくって顧客を増やすことではありません。
目標を間違えないようにしましょう。
プロフィールを作る
プロフィールで伝える内容が決まったら、次は実際にプロフィールを作っていくことになります。
実際のプロフィール内容はアプリによっても変わりますし、マーケティングというよりもライティングなどの分野になってくるためここでは深くは触れません。
ただ一般的に大事なポイントを簡単にまとめておきます。
・見やすくする
長文でダラダラと書いてしまっては読む気をなくしてしまいます。
余計な文はいりません。
箇条書きなどで簡潔に、見やすくまとめましょう。
・写真の構成
1枚目:最も盛れた写真 (ここで目を引きます)
2枚目:笑顔の写真 (楽しそうな笑顔で親しみやすさを)
3枚目:友達と写ってる写真 (社交性のアピール)
4枚目以降:趣味の写真など個性の分かる写真 (興味や話題のきっかけに)
・会話のきっかけの種を散りばめておく。
写真の4枚目以降と同じですが、プロフィールをもとに会話を組み立ていくことになります。
会話のきっかけをたくさん置いておくことで、興味を持ってもらいやすくなり、会話が続きやすいです。
・付き合った後の生活が想像できるようにする。
「一緒に◯◯したい」といったような内容を入れると、自然と付き合った後の想像が浮かんで親しみやすくなります。
色々と書きましたが、プロフィールは個性が強く出る部分です。
人に見せて伝えたいことがきちんと伝わったか感想をもらうのがいいでしょう。
伝えたいことがきちんと伝わっていれば大丈夫です。
気負わずに等身大の自分で挑みましょう。
いいねをする
プロフィールができたら、次はいいねをしていく作業です。
どんな人にいいねをするかもかなり重要な要素です。
例えるならば営業先をどのように選ぶかということです。
限られたリソースをどこにかけるかで、成功率は大きく変わってきます。
より成功確率の高い場所に営業しましょう。
つまり自分を気に入ってくれる人です。
Aさんの場合はこのような人でした。
・安定した収入を望む人
・サッカー観戦が好き
・ゲームが好き
・お酒が好き
・土日休み
間違っても自分を気に入らなさそうな人にいいねしてはいけません。
貴重なリソースを無駄にするのはやめましょう。
Aさんの場合はこのような人でした。
・身長体重外見を重視する人
・恋愛経験豊富でスマートなモテる振る舞いが好きな人
・サッカーが嫌いな人
・ゲームが嫌いな人
・お酒が嫌いな人
・土日が仕事な人
気に入らなさそうな人の特徴が1つでも当てはまっている人はNGとしてスキップしましょう。
さらに、Aさんの場合はプロフィールで強くアピールする強みを
・サッカー観戦が好き
・お酒が好き
としました。
そのため、この2つのどちらかで共感してくれそうな人にのみアプローチしましょう。
いわばターゲティング広告です。
チャット、電話、会う
チャットや電話、実際に会っての会話などは一般的なコミュニケーション術や会話術について書かれているものを参考にしてください。
ただ、ここまでのマーケティングをしっかり行っていれば何も行っていない場合と比べて格段に感性の合う人、会話の合う人と出会えるはずです。
おわりに
いかがだったでしょうか。
マッチングアプリをマーケティングに例えて、戦い方のフレームワークを書いてみました。
よくあるモテる戦略とは一線を画した内容だったかと思います。
やり方の1つとして参考にしてみてください。